地域医療法人連携推進法人について教えてください。

 医療提携について統一的な方針を持った複数の医療法人が、グループとなって一体的な経営を行う目的で設立される一般社団法人のことをいいます。
 複数の医療法人が医療連携を進めていくなかで、地域医療連携推進法人が統括し、法人本部機能を担うという位置付けであり、経営効率の向上を図るための連携をどこまで深めるかは、各医療法人である社員が決定します。
 これは、都道府県が策定する地域医療構想を実現するための一つの選択肢と考えられています。

地域医療連携推進法人制度
 地域医療構想で示した目標値を達成するためには、医療機関の機能変更や再編を勧める必要があります。具体策として、医療法人・社会福祉法人等の非営利法人におけるホールディングカンパニー制度に類似する地域医療連携推進法人を創設します。
 
【1】仕組みとメリット
 医療機関の機能分担と、義務の連携を推進する制度です。非営利性を担保するために参加法人は非営利法人のみの構成に限定され、経過措置医療法人が参加することは不可能です。
 事業地域の範囲を限定した上で都道府県知事が認可します。
 複数の法人が一体となることでグループ内での病床数の融通や医師の再配置が可能となり、経営的にもメリットが生じます。
 地域医療構想とは、人口減少や高齢化に伴う疾病の構造変化がもたらされるなかで、地域の実情に応じた医療資源を配分・提供する必要があることから、地域の医療需要に見合った機能別病少数の目標を定めて共有しようとするものです。
 具体的には、地域に必要な医療提供体制のあり方をまとめて、「地域医療構想」として策定し、医療計画に新たに盛り込むことが義務付けられており、自治体は病床削減や病床機能の再編を進める必要があるとされています。


【2】出資持分の放棄の考え方
 経過措置医療法人が出資持分なし社団医療法人に変更する場合は、実態は出資者の出資持分の収奪的考えから、出資者全員の出資持分の放棄書の著名、実印、印鑑証明書が必要と考えられています。