医療法人とMS法人との全取引について開示の義務はありますか?

 MS法人との取引では、剰余金の配当禁止にかかわらず費用の形で実質的に利益の原資が流出している場合があります。なかには、医療法人の運営に支障をきたすほど経費を負担していることも考えられます。

 当該医療法人と行う取引、すなわちMS法人との取引開示基準は以下のとおりです。

 ・事業収益又は事業費用の額が、1,000万円以上であって、かつ当該医療法人の当該会計年度における事業収益の総額(本来業務事業収益、附帯業務事業収益及び収益業務事業収益の総額)又は事業費用の総額(本来業務事業費用、附帯業務事業費用及び収益業務事業費用の総額)の10%以上を占める取引です。

 ・事業外収益又は事業外費用の額が、1,000万円以上であり、かつ当該医療法人の当該会計年度における事業外収益又は事業外費用の総額の10%以上を占める取引です。

 ・特別利益又は特別損失の額が、1,000万円以上である取引です。

 ・資産又は負債の総額が、当該医療法人の当該会計年度の末日における総資産の1%以上を占め、かつ1,000万円を超える残高になる取引です。

 ・資金貸借、有形固定資産および有価証券の売買その他の取引の総額が1,000万円以上であり、かつ医療法人の当該会計年度の末日における総資産の1%以上を占める取引です。

 ・事業の譲受又は譲渡の場合にあっては、資産又は負債の総額のいずれか大きい額が、1,000万円以上であり、かつ当該医療法人の当該会計年度の末日における総資産の1%以上を占める取引です。