改正医療法に基づき医療法人の会計基準はいつから施行されていますか?

 医療法人会計基準は、平成29年4月2日から施行され、同日以後に開始する会計年度に係る会計について適用されることとなります。

 医療法上、医療法人の会計年度は原則として4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる1年間の会計年度とされています。
 医療法人会計基準が適用される医療法人は以下のとおりです。

【1】本運用指針について
 本運用指針は、医療法51条2項の医療法人が、同条1項の規定により、作成する業務報告書等のうち、会計情報である財産目録、貸借対照表、損益計算書、純資産変動計算書及び付属明細表を作成する際の基準、様式等について定めるものです。

 医療法51条2項の医療法人とは、以下のとおりです。
・最終会計年度に係る貸借対照表の負債の部に計上した額の合計が50億円以上又は最終会計年度に係る損益計算書の収益の部に計上した額の合計が70億円以上の医療法人

・最終会計年度に係る貸借対照表お負債の部に計上した額の合計が20億円以上又は最終会計年度に係る損益計算書の収益の部に計上した額の合計が10億円以上の社会医療法人

・社会医療法人債発行法人である社会医療法人

【2】各医療法人における会計処理の方法の決定について
 会計基準及び本運用指針は、医療法人で必要とされる会計制度のうち、法人全体に係る部分のみを規定したものです。
 医療法人は、定款または寄付行為の規定により様々な施設の設置又は事業を行うことが可能で、事業によって会計に係る取扱いが存在することもあります。
 そのため、各々の医療法人において、経理規程を作成する等により、具体的な処理方法を決定しなければなりません。

【3】収益業務の会計について
 医療法42条の2第3項において、「収益業務に係る会計は、本来業務及び附帯業務に関する会計から区分し、特別の会計として経理しなければならない」とされています。
 したがって、貸借対照表及び損益計算書は、収益業務に係る部分を包含していますが、内部管理上の区分においては、収益業務に固有の部分について別個の貸借対照表等を作成します。
 
【4】基本財産の取扱いについて
 定款又は寄付行為において基本財産の規定を置いている場合であっても、貸借対照表及び財産目録には、基本財産としての表示区分は設ける必要がありません。
 しかし、当該基本財産の前会計年度末残高、当該会計年度の増加額、当該会計年度の減少額及び当該会計年度末残高について、貸借対照表の科目別に会計基準第22条第8号の事項として注記するものとします。